「自分の地層を作る」投稿こだま
藝大美術館
「自分の地層を作る」のワークショップに参加した方から送られてきた、作品の写真のデータと、それにまつわるテキストを掲載していきます。
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市街地と里山の関係を俯瞰の地層として捉えました。
今の自分がいるのは、いろんな人と繋がり、出会いの積み重ねがあるから。
最近実家から東京に来たので紐などがあまり見つからず、共に東京に持ってきた使い慣れたガムテープとマスキングテープを細く裂いて紐の代用にした。
入試のときの孤独などを思い出しながら作った。
粘土は油粘土で、入れた紐はシュロ縄と白い紐と黄色い刺繍糸です。シュロ縄は受験のときの、白い紐は作品制作の、黄色い刺繍糸は趣味の裁縫の余りでした。何かを作る行為は自分を粘土のように形作る行為であり、その過程で余った糸というのは自分を更新した証となる副産物、痕跡です。そんな痕跡の、行為の積み重ねが私の地層と言えます。
今回は地層を “時の流れの軌跡” として捉えた。太古の昔から、今、令和の時代までの地層だ。下の方(太古の昔)の方は、謎めいた色が入った刺繍糸、そして上の方(令和の時代)は私が感じる令和の色=黄色の刺繍糸を巻きつけた。時代を4つの塊に分裂(どの時代がどれに属すかは自由)させてあるが、確かに全てが繋がっている...
無心で作ってしまったので特に作品に込める想いが特別なものではなかったのですが、まだ柔らかい粘度と粘土の間をいろんな紐で行ったり来たりする間、ただ一心に作業していました。作品を作るのは、目的があって行うこともありますが、ただ何も考えず無心になれるほどのめり込むことも目的の一つであって良いということを感じたように思います。
気に入っていたけれども断線してしまったヘッドフォン。
最近読まなくなった新聞。
粘土に新聞紙を練り込み、成形したものをヘッドフォンのコードで縛りました。
受験期デッサンを自宅で練習する用に買ったロープです。
もう念願の大学に入学してから3ヶ月以上が経つのか、と思いながらつくっていました。
共通する鉱物や堆積物が含まれていても、一層一層がみな同じ色、同じ形になることはありません。しかしどの層も上下にある地層両方の影響を受けています。また、ときには強大な力が働き、欠けてしまったり、全ての層が同時に影響を受けたりすることもあります。
2種類の木粘土と1種類の樹脂粘土、そして今では欠かせなくなった「マスク」のゴム紐を組み合わせて、以上に述べた「地層の宿命」を表現しました。