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「繋ぐ、混ざり合う〜裂き織りうちわ〜」投稿こだま

藝大美術館

「繋ぐ、混ざり合う〜裂き織りうちわ〜」のワークショップに参加した方から送られてきた、うちわの写真のデータと、それにまつわるテキストを掲載していきます。

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ふるさと

亡き義理母の着物を裂き織りにしてうちわを製作しました。

生前はよく生まれ育ったふるさとの話をしていて、その当時に作った着物なのですが、すっかり着物を着ることもなくなり箪笥に眠っていました。ほどいて小物作りに使ってねと言っていたのを思い出し、裂き織りうちわを作りました。どんな場所でどんなシーンに着ていたのだろうと想いを馳せながら作りました。

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わたしのうちわ

わたしの思い出あるお洋服や、夫の洋服を裂織りし、更には藝大DOORそねまいチームで出逢った人たちの裂織りされた布で、作りました。
このうちわは、わたしにとって、裂織りを通して出逢わせてくれた人たちを繋ぎ合わせてくれた、たった一つのうちわです。

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explosion

選んだピンクのシャツは、社会人になった私の「鎧」だった。
お客様との面談
プレゼンテーション
来賓のアテンド
「エイッ」と自分を奮い立たせているように着ていたシャツを手に取ると、今の自分には必要ないと感じる。

裂いてみたら…昔の自分を裂いているような不思議な感覚。
けれどそれをうちわに織り込んでいくと、糸とラメの素材の塊のところで、地球が爆発したように「真っさら」になった。
そのあと他の人たちのそれぞれのストリーの布で、新たな人生を先織りの中で歩み進んでいくと…最後にシャツも私もとても自由になっていた。
鎧が鎧ではなくなった。
自分と他の人たちの物語も一緒にうちわに織り込んで、混ざって、自分なのかそうじゃないのか…そんな境目すらもあやふやになって、なくなっていた。

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かわらないもの

10代20代の時に好んで来ていたチェックのスカート
友達とのお出掛けやデート
いろいろな思い出が詰まっている
40代になってもチェックが好きなのはかわらない
これからは新しいチェックの服と思い出を作る

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Milky way

今頃の季節に、以前仕事でよく着ていたネイビーのトップス。
着なくなったので、手に取って丁寧に裂いてみた。
キュッと詰まったコットン生地、フワフワに透けるシフォン生地、首元を飾っていたビーズ。
色々な素材が混ざり合ってできていた。
手にしていたら夜空が浮かんできて、七夕が近いことに気付く。

七夕当日、うちわに織り込んでいく。
漆黒の夜、ポツポツと光る星、強い風になびく空、そこにかかる天の川。

今年はいつも以上に、天の川の向こう側にいるあなたを想う。
「会いたい」


Hope all of us will meet you again.

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垣間見

父の服を切り裂いて編んでいると、何か父の中を覗いている様な気持ちになりました。素材に触れると凸凹していたりフワフワしていたり、けど作業は淡々としていたり、少しずつ仰ぐと風が出てくるのが面白いと感じました。

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ショートケーキ

下宿で最低限の荷物と共に東京に来た私には全ての衣類が必需品だったので、学生寮の友人に尋ねるとかっぱえびせんのイラストがかかれたTシャツを譲ってくれました。人のものをさくのはかなり心が痛みましたが、無心で編んでいるとそんなこともすぐに忘れてしまいました。完成したうちわはかっぱえびせんのイラスト部分がショートケーキのイチゴに見え、全く違うものが生まれた感じがしました。

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「割と良い感じにできた」うちわ

布を裂く時点で自分の不器用さに不安を感じていましたが、進めていって形ができるにつれ、「もっとここはこうしたい」「綺麗に作りたい」といったこだわりが出てきてとても楽しかったです!「無心で物を作る」楽しさを思い出しました。ありがとうございました!

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白雲

黄山を登った時、頂上で見た雲海を思い出しました。

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向こうが見える

手作りマスクの余った布、小学生の時に着ていた体操服の布、我が家にいる犬のクッションと同じ布などを使って作った。布それぞれの知っている手触りが、懐かしく思えた。一部レースじを使った。お母さんが私たちに手縫いのバックを作ったりした時の残り物。知っている香りがした。それを編み込んでいると向こうが透けて見えることに気がついた。知っている景色がまた、懐かしいものに包まれる感じがした。

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