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「窓が包む世界」投稿こだま

藝大美術館

「窓が包む世界」のワークショップに参加した方から送られてきた、窓の写真のデータと、窓の紹介や開け閉めするときのことなどを書いたテキストを掲載していきます。

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窓を見ると外の世界が広がっていたが、近づくと窓に網目状のワイヤが入っていたり、枠が入り混じっていたりしていた。案外、自分の見ている外は大小様々な障壁によって遮られていることを認識した。

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神戸北野の、六甲山の麓にある窓。ここまで来るのに勾配の激しい坂を必死に登らなければいけないけれど、登ってみたら後ろは山、前は海が見える、鳥が来る窓。たまに汽笛と、鳥のさえずりが重なる時がある。曇りだけれど心地よい。

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家の中で一番涼しい部屋にある窓です。つまり、一番涼しい風を入れてくれている窓です。今回、窓に装いを寄せて涼しい装いで窓と一体化できるようにしました。

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部屋の一番すみにある、7年ほどカーテンすら開けていなかった窓です。趣味のスペースで、本や楽器や工作物が日に焼けるからと長年閉めっぱなしにしていました。ゆっくりと、「はじめまして」と言うようにカーテンを上げていきました。埃のかぶった窓がありました。そこから見えるのは見慣れた町のはずなのに知らない場所に来たような気になりました。光が差し込み、今いる場所さえも知らないところのように思えてきます。窓を開けるレバーに手をかけました。しかしそこから先に踏み出るのが怖くなってしまい、開けるところまでは至りませんでした。

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大学の寮で、部屋には窓が一つだけあり、自分の部屋の階からだと前には建物があります。この写真を撮ったとき空は曇っていて、以前から部屋の窓に感じていた閉鎖した感じをより強く感じました。だから、窓の鍵と曇り空を画角に入れた写真を撮りました。

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建築家の父が設計した我が家は、窓らしい窓は殆どありません。なぜ普通の窓はないのかと聞いたら、父はこの家を設計した時、窓とは光を入れるもの、風を通すものだと言いました。この窓は開け閉めはできますが、風景を見るためではなく、風と光を取り入れるので少しの隙間しか開けることができません。私はこの自然の光が入ってくるこの浴室の窓が好きです。

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乱暴ではありますが私はこの窓を足で開け閉めすることが多いです。しかしそれは無作法では無く、むしろそれがこの窓に対する正しい行動だと私は思っています。

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この窓は部屋にある唯一の窓なのですが、8階という割と高そうな場所にも関わらず豪快に開きます。自分の手で操る範囲で開く時は90度くらいが限界ですが風に煽られると150度くらい豪快に開きます。ここまで豪快に開く窓は正直自分にとって珍しく感じるので大きく開いた状態を写真に納めることにしました。

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カーテンが閉まっている状態から、「髙田清花の人生は、この街でスタートする」というゲームの冒頭に流れそうな神の声を頭の中に流し、今までの記憶を全て無くしたという設定に染まりきり、カーテンを開いてみる、という行動をとってみた。「うわぁぁぁ。ここで私の生活が今日から始まるんだ。」という生まれたての赤ちゃんのような心持ちになれた。非常に新鮮な視点で街を見ることができ、面白かった。

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いつも朝のスタートはここのカーテンを開けることです。いつもはここを締め切って過ごしていますが、今日は開けてみました。普段は気にならない、車の音や重機の音が介入してくる感じが大きくなりました。

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