善通寺

Thread journey / 糸の旅

-家で糸を巻いて旅に出よう-

コンセプト

 私はこれまで糸を使って、国内外 障害の有無を問わず、言葉に頼らない交流を行ってきました。そこでの経験は、遠くまで旅をした時のものとよく似ており、内面的な旅といえます。

 

 人が糸を巻く時、その多くは丸い形になります。ところが、東京の福祉施設に通う宇佐美くんの巻いた糸はダイヤの形になりました。ブラジル、サンパウロの自閉症児療育施設に通うケントくんが巻いた糸も、なんとダイヤの形になりました。そして、ペルーのアンデス山脈にある遺跡の村から発掘される糸玉は全て卵形なのだそうです。

 

 これらの出会いから、糸を巻く所作は人類の深い記憶と結びついており、誰かが巻いた糸玉はその人らしさが形になっていると考えるようになりました。

 

 「Thread journey / 糸の旅」では、まずはじめに人類にとって根元的な所作の1つである糸巻きを通じて、糸に触れることで自分の中の懐かしくて新しい感覚や感性にアクセスし、これまでの記憶や今の自分と向き合う内面的な旅を試みます。

 

 次に、内面的な旅を経て生まれた自分の糸玉を香川県善通寺市の展覧会場に郵送することで、こんどは実際に山や川や海が隔てる物理的な距離を超えて旅をして、各地からやってきた たくさんの誰かの糸玉と出会います。2つの旅の先にはどんな風景が現れ、どのような関係性が生まれるのでしょうか。

 

 今、地球規模で起きている新型コロナウィルス感染症の影響で、人種差別や格差社会といった断絶により暗い影を落とす一方で、オンライン上では遠いところにいる人とのつながりが活性化しています。この不自由な状況は世界中の人々の中に物理的にも精神的にも人や物との距離感に変化をもたらし、やがて価値観を変容させます。ですが、このような出来事は社会状況やライフスタイルの変化とともにいつの時代にもあったことです。

 

 人類は、これまでにない“不自由な状況”になったときに、それまでの価値観を捨て、新たな視点を手に入れ、自らをそして社会を変革させてきました。ですので、私は今回の一連の出来事は人類が新しい世界に向かう1つの過程なのだと考えています。

 

 しかし、いつの時代も人が生きる上で、幸せを追い求めていくことに変わりありません。故に今のような時こそ人と物との関係性、他者や自分、そしてこの世界との向き合い方を改めて考え直す時です。

 

 「Thread journey / 糸の旅」の2つの旅を通じて、各地の誰もが“近くて遠い、遠くて近い”と今感じている変わりつつある距離感と向き合い、我々はどこからきて、これからどこへ向かおうとしているのかを問い直します。

 

 この旅は人間らしさを取り戻す旅です。では、目の前にある糸を玉にするところからはじめてみましょう。そこからいろんなところへ行けるはずです。

                                     2020年11月29日 五十嵐靖晃

準備するもの

あなたの家にある糸

やってみる

やることは3つ!

1,糸玉をつくる

2,糸玉の写真(縦構図)を撮り、糸玉の画像と12の質問への回答を送る

3,糸玉を送る

<アーティストと一緒につくりたい方はこちら>

アートプロジェクト「Thread journey / 糸の旅」は、新型コロナウィルス感染症の影響で移動や人と会うことが制限される今、糸を巻き、その糸玉を送ることで参加できる展覧会です。家であなたが巻いた糸玉があなたの代わりに旅をします。糸を巻くことでの内面的な旅、その糸玉を送ることで物理的な旅、2つの旅を試みます。

誰もが参加対象者です。集合場所は香川県善通寺市にある旧善通寺偕行社。以下の質問へ答えながら糸を巻き、その回答を投稿の上、宛先まで糸玉を送ってください。

1〈あなたの国、県(自分が育った国、県)〉

2〈あなたの地域(自分が育った地域)〉

3〈あなたの山(自分が育った山)〉

4〈あなたの川(自分が育った川)〉

5〈あなたの海(自分が育った海)〉

6〈あなたのコミュニティ(部族や自分が育ったコミュニティ)〉

7〈あなたの母の名前〉

8〈あなたの父の名前〉

9〈あなたの名前〉

10〈あなたの年齢〉

11〈あなたの今行きたい香川県内の場所〉

12〈あなたの今行きたい場所〉

※糸玉の大きさは5~10㎝程度、糸の素材は身近にあるもので、短ければ結んでつないでもかまいません。

※質問への回答は答えられる範囲でかまいません。

※家にいるご家族やオンラインを使った友人と12の質問を通じての対話をしながらの糸巻きをお勧めします。

・植物、なまもの、食品、汚れが付着したものの使用をお避けください。上記が確認できない場合、展覧会での展示を見合わせます。予めご了承ください。

・お送りいただいた作品は返却いたしません。

 

郵送で送る

<送ってほしいもの>

・巻いた糸玉

(次のものも記載して同封してください: 参加プログラム名、お名前、連絡先(メールアドレス)、作成日、ひとこと(140字程度))

<作品の送り先>

ちきゅうのこだま(TURN on the EARTH善通寺展担当) 「糸の旅」係 宛

〒760-8570

香川県高松市番町4-1-10

香川県政策部文化芸術局文化振興課

原則としてレターパックでお送りください。

入らない場合は宅配便等で、 土日祝日を除く午前9時~午後5時の間でご指定のうえ送付ください。


【最終〆切:2月12日 (金) 午後5時必着】

【ご注意】

​・郵送で送付された作品は展覧会に展示される予定です。

・作品は元払いで送付してください。(着払いの場合受け取れません)

・作品の素材に以下のものが含まれていると展示会場に展示が出来ませんのでご注意ください。

①:食品/②:植物/③:湿ったもの/④:製品化されていない動物製のもの(原毛など。毛糸はOK) /⑤:①−④が付着したもの

・お送り頂いた作品は返却いたしません。予めご了承ください。

 

データで送る

<送ってほしいもの>

・巻いた糸玉の写真(縦構造)

​・12の質問への回答

<作品の送り先>

<メールアドレス>に送信してください。

<投稿こだま>にて発表していきます。※郵送の投稿と異なり展覧会には展示されません。予めご了承ください。

【ご注意】

投稿いただいたデータは、内容を確認の上、掲載します。掲載まで1週間程度のお時間をいただきます。

・写真の中に個人が特定される情報(氏名・住所・電話番号など)が含まれないかご確認ください。

Photo:Rafael Salvador

アーティスト:五十嵐靖晃

こだまの展示風景

TURN on the EARTH〜わたしはちきゅうのこだま〜

2020年7月23日(木・祝) - 9月6日(日)、東京藝術大学大学美術館